これまでに作った同人誌を振り返る【7割アンソロ編】
現在、8月1日に出すぞ〜と言っていた本が絶対に1日には出せないな〜ということがもう確定していて、それよりも前に作り始めて一年以上原稿を抱えて詰まっている企画アンソロもある。そんな今だからこそ、今までだってなんとか完成まで漕ぎ着けられたじゃないかと自分を鼓舞するためにこれまでに作った同人誌を振り返っていく。
この記事は4年間で31冊同人誌を作ってうちアンソロが22冊、ざっくりアンソロ率7割というアンソロ特化型同人オタクの振り返りです。
1万字ある上に2週間ほどかけて書いたので感情の起伏と文体の乱れが激しいです。
刀剣乱舞、アイドルマスターシンデレラガールズ、あんさんぶるスターズ‼︎の二次創作同人誌の話が続きます。
成人向けやカップリング、評論などを題材とした本の話があります。
- にかほりアンソロ
- しきじょう
- 海とわきざし
- わきざしだより
- つめたい温室
- 投げKISSをあげるよ
- 青い服
- 不正解
- メイドインチェリープラム
- トリスタの二枚看板がうっかり枕営業の呼び出しに応じてしまってご都合キメセクで喘ぐ本
- CROSS EVERMORE vol.1
- いずれ咎めか恋心
- My life
- CROSS EVERMORE Vol.2
- ほしふるばしょにつれてって
- 胡乱!〇〇からみるあんさんぶるスターズ
- あんさんぶるSTARS -逆光のリザレクション-
- STAGE BASARA FEAT.ES ALL MALE 書き散らし妄想本
- 君だから
- 最初に書いたあとがき
- 最後に書いたあとがき
にかほりアンソロ
A5/24Pくらい
執筆 4人+表紙1人
友人Aがマイナーなカップリングに沼落ちし、かなり狂っていたため、何人か共通のフォロワーを誘って誕生日プレゼントとして1冊だけ制作した。
同人誌の作り方がわからなかったので、すでに同人戦士だった友人Aがいつだかに見せてくれた「自分は同人誌出す時こんな文字組でやってるよテンプレ」を勝手に流用して作った。しかしながら、いろんな知識不足とお安い代わりに玄人向けな印刷所をチョイスしてしまった結果、かなり粗の目立つ仕上がりとなってしまった。
印刷所から自分の手元に届いた段階でこれはまずいかもしれないと感じ、身の丈にあったツールでもう少し体裁の整ったコピ本版を作り直しセットでプレゼントした。
Aには喜んでもらえたものの、私も参加したかった!と言っていた気がする
しきじょう
A5/124P
執筆7人+表紙1人
前述の友人Aが、今度本を作るなら私がきちんと文字組をするから、と言ってくれたからだったか、なにかそういう流れで作ることになった。とにかく、文字組みなど技術的な部分をAにお願いして自分は企画部分をやる!と作った本。
冠婚葬祭と4キャラクターをそれぞれ組み合わせて小説八編収録。同人イベントでままある「小説本だったからUターン」をされないくらい企画できちんと強いコンセプトをやろう、という決意をこの本で固めたような気がする。
本を作る前はニコニコで動画を作っていたため、今まで合作動画などでご縁があった方や好きなキャラクターで小説を書いていた方などを誘いメンバーを集めた。よく了承してくださったなという感じで感謝しかない。
同人誌は始めてという参加者が過半数ながら、人選は完璧で読みたいものが詰まった良い本になった。
好きな絵描きさんたちにノベルティを描いてもらったり、CM作ってもらったり、葬儀屋さんに「葬」を書いて頂いたり、むむだーから小説を引きずり出せたり、この後もずっと続く「コンセプト的に入っておいて欲しい話を別名義で書いて埋める」などの力技を覚えたり、友人Aが冠婚葬祭で最も書きづらいであろう「冠」テーマを2本書いてくれたり。
とにかくここからA無しには出ない本が続く。
海とわきざし
脇差男士が海にいく話
A5/?ページ
個人誌/コピー本
上の「しきじょう」と同じイベントで頒布。
アンソロジーではなく、中学の友人とファミレスの喫煙席に10時間くらい居座って喉ガラガラになりながら一気に描いた漫画。漫画の本を出したのは後にも先にもこれだけで、勢いで本を出すという同人オタクっぽいことをやってみたかっただけのような本。
コピ本の面付けの仕方がわからず、教授に頼んで図書室で印刷してもらった。
絵があまりにも汚いので少しでも良くならないかと色鉛筆で何コマか色をつけて頒布した。
この時友達がつけた合同サークル名をずっとパクったまま使っている。
わきざしだより
A5/16~30ページ程度
コピー本
参加者 100人以上!
「しきじょう」を出して得た感慨と同時に、感じたハードルが下記のようなものだった。
・同人誌を作るのは印刷データ制作などが難しい
・初めて作った本をたくさん見てもらうのは難しい
・田舎住みにとってはイベント会場へ行くだけで大変
などなど……友人Aがいなければ前回の本は完成しなかったという思いから「沢山の人にとっての友人A」を作ろう、という飛躍をする。
本が雑誌的に投稿コミュニティとして成立し、サポートができる編集部があれば初心者でも簡単に寄稿できるアンソロジーができるのではないか、発行はコンビニのコピー機にしてしまえば地理的な制限はかなりなくなるのではないか。ということで「敷居は低く、間口は広く」「あなたと作るアンソロジー」をコンセプトに、公募制のアンソロジーを作った。「毎月集める」って言葉もよく使ってたかも。
有志30名程度の編集部でスマホだけでも寄稿できるように原稿制作のガイドやテンプレート、参加方法や掲載できる内容のQ&Aなどを整備し、公募作品を編集部が本にして発行することで、誰でもアンソロに作品を載せることができるようにした。
印刷しても製本しなければ完成しないコピー本のため全ての読者が参加者という扱い。
毎月、巻頭企画、テーマ枠、フリー枠で構成し、巻頭企画は編集部や寄稿依頼を中心に制作、テーマ枠はその月のテーマに合わせた公募作品を、フリー枠は何月号に載っても良い公募作品という形である程度ページ数を安定させた。
小説イラスト漫画なんか以外を作ってる人とも一緒にやりたくて、レシピや型紙、TRPGを寄稿してもらったり、CMを作ったりオリジナル曲のMVを作ったりARフィギュアを作ったり、色々、やりたい人がいることは軒並みやったと思う。
「友人Aを作る」だけではなく、当然推しの二次創作を山のように見たいという思いがあってのことで、もろもろ頑張り2018年4月から2019年の3月までの1年間、毎月第1金曜日にコピー本を出し続け、累計で15冊、7000部が印刷された。
3000フォロワーくらいで初月からバズリで増減ありつつずっと大体500部をベースに上振れ下振れ100くらいで印刷されるので残り2500はどういう数だったんだろう、なんとなく気になるだけなのか、入れ替わっていたのか、毎月プリント間に合わなかった……なのか。
(台湾の方からも参加したいし読みたいと協力いただき、台湾ibonでも配信したがこちらは部数把握できず)
「わきざしだよりが初めての同人誌」「ここから自分でも本を作った」という人をそこそこの人数増やせて満足した。1年間毎日、1日も欠かさずに1つのもののことを考えていたのは初めてで、強烈な思い出になった。
期間の長い本だったため辛かった記憶が消えていたり、今から見ると良くないかもしれない部分があったり、脳内で美化していたり、後付けで捏造している可能性が多分にあるためかなり端折った。
いろんな企画ものや、全巻揃った写真が案外手元になくて悔しいので、持ってる方がいればお写真もらえると嬉しいです。
つめたい温室
オールキャラ夢日記本
A5/100ページ
個人誌(タイトルはAに付けてもらった)
「わきざしだより」終盤、楽しさと共に疲弊も大きかったためか、めちゃくちゃな悪夢を見続ける日が続いていた。
オタクのややイかれた共感により、月刊アンソロ中に感じた辛さをクロスロードの蓮巳敬人に重ねてあんスタに沼ってしまい、新刊を4冊同時に出すことになる。
蓮巳敬人が自分にとって人生を変えた出会いをシステムとして再生産しようとしてもがくとこが天才側の悲哀込みで書かれるのでめちゃくちゃ辛くなる。本当にそんな話だったかは怪しい。
悪夢起床、電車通学の生活の中で、夢日記を元に小話をメモ帳に書き留め続けたのを集めた短編集。自分の中にある映像を忠実に書き続けたので他とは違う意味で気に入っている本。
投げKISSをあげるよ
氷鷹北斗×明星スバル
A5/100ページ/R-18
個人誌
カップリングにハマって一番最初に出した本って後から爆裂解釈違いになるってわかってても衝動で出すもんだから、という感じの本。手持ちで一番恥ずかしくて読み返すことができない。
表紙は大学の友人に描いてもらった。お礼にラーメンを奢ったら「お箸持つの久々すぎて使えない」と言っていたのが印象深い
青い服
明星スバル×天祥院英智
A5変形/16P/本文フルカラー
個人誌
好きになってすぐに推しが作中で卒業してしまい寂しくて書いた制服本。本文がフルカラーなのは、1ページだけ挿絵をカラーで入れようとしたら全ページカラーにした方が安かったからだった記憶。字が黒じゃなくて濃い茶色のはず
ラストに全振り、最後の挿絵までどうもっていくかという本だった。
不正解
守沢千秋×高峯翠
A5/8ページくらい?
個人誌
「青い服」他、いろんな動画や「わきざしだより」などで表紙を描いてくれていた絵描きさんのリクエストで書いた薄々本。字書きに表紙絵を渡したらそれに合わせて本文をくれる、みたいなノリが流行っていたとかそういう流れだった気がする。
こうしてあんスタで4冊新刊を出す。この後すぐにコロナ禍となり、これがパンデミック以前に参加した最後の同人イベントとなる。これ以降もうずーっとコロナ。
机の上にある執筆者募集のアンソロジーが出るのは4冊後。
メイドインチェリープラム
氷鷹北斗×明星スバル
A4変形/24P/本文フルカラー
個人誌
短編集。いつも表紙などを人にお願いしていたため、誰の手も借りずに出した本はこれが初めてかもしれない。しかし、各タイトルは友人Aから。
つけてもらったタイトルは「メイドインシュガープラム」だったのに何故かなぜか覚え間違えたまま出してしまった。
「青い服」で本文フルカラーならもう少し色々できるかもと手探りに作った一冊。小説本なのにやたらとでかい。
夜明け前や深夜など、話の時間帯や時間経過に合わせて背景色を変え、文字を白抜きにしている。
コロナ禍以降に流行ったwebオンリーに初めて参加した本だった。
トリスタの二枚看板がうっかり枕営業の呼び出しに応じてしまってご都合キメセクで喘ぐ本
モブ×氷鷹北斗+明星スバル
A5/16P
コピー本
画像割愛。一度くらいハートが大量についた「THE・エロ本」という感じの本を作ろう!とwebイベント前夜の勢いで書いた本。
ハート大量かつ濁点喘ぎの文字組があまりにも難しくて左綴じ横書きで作った。明け方印刷しながら色々なところにノウハウがあるのだなと感じた。
CROSS EVERMORE vol.1
クロスオーバー合同誌 Vol.1
A4/本文12P/フルカラー
一番楽しい本!表紙は何度もお世話になってる方でこの記事にいっぱい出てくる。
あんさんぶるスターズとアイドルマスターシンデレラガールズのクロスオーバー本。確かこの本の時は合同誌と言って募集した記憶があるがアンソロとの違いがあまりわかっていない。
イラスト・テキストをそれぞれ募集して雑誌っぽく作ったフレームに填めていく形で作った。雑誌風と言いつつ構成がフリーペーパーっぽいかもしれない、大学でそういうの作ってた時期だったのかも。
InDesignでの文字組に少し慣れつつあり、今度はIllustratorを使えるようになりたいという思いもあった気がする。たのしくクロスオーバーらしいお祭り本で、完成してあまり間を置かずにvol.2を作った。
どっちかのアイドルしか知らない人がもう1人に初めて会った時に好きになってもらいたいなと思いながら作った。クロスオーバーなんかそれしかない。
現在進行形で原稿を抱えているのはこのVol.3。
いずれ咎めか恋心
CPを観測するCPアンソロジー
全年齢向け A5/180P
あんスタ旧作オールキャラクター
キャラクターの多い原作の交錯する人間関係が好きで企画したアンソロジー。『CPを観測するCP』に対して告知のRT先で結構いろいろ言われたような記憶がある。
1:1や1:2ではなく、あくまでも2:2の関係性にある眼差しという部分に重きを置いて募集し、初めましての方も沢山参加してもらった。
制作中に7割がたキャラクターが登場していることに気付いたため、折角なら10割にしようと友人Aともう1人、これまでのアンソロに皆勤してくれている友人で沢山書いてオールキャラ出演にしたのが印象深い。
攻め違い受け違いは当然、人形とゲーム主人公のCP、キャラクターの親夫妻などかなり雑多に変化球も多いアンソロジーになった。CMや告知、ノベルティ、表紙などもろもろビジュアルも含めてこれまでのアンソロジーの中でも特にコンセプトに対しての完成度が高く、お気に入りの本。
有無選べる付録という感じで、作中のシーンを切り取った盗撮写真・記念写真つきセットを拡張版として作ったのもお気に入り。
自作を「ラブ・ソングなんて歌えない」というタイトルで書いた数年後に、推しから「ラブソングだって歌えるよ」というセリフが出て、私のは誤答だったんだけど嬉しくて嬉しくて同人誌って楽しいな〜!!!と改めて思った。
〜余談〜
この本を出したイベントは2020年8月で、弟が大乱闘スマッシュブラザーズSP経由で急速にスターフォックスシリーズにハマり同人にも手を伸ばし始めていたため売り子として一緒に来てもらった。コロナ禍の合間みたいな時期に開催されたイベントで、もうそれはそれはガラッガラのインテックスだったものの、弟は初めての同人イベントにめちゃくちゃに興奮して楽しんでいてすごく嬉しかった。まあ本当にガラガラで設営完了の写真見たら端から端まで見えるくらい空いてた。
その前にオリンピックも台風もあって、そこからのコロナ禍で紙の同人は終わり!イベントガラガラ!みたいなのが結構バズってたけど「こんなに楽しいのに本来もっともっと人集まるってマジ!?」と騒いでいる弟見て新しくやって来てこんなにウキウキの奴もいるよ、と思った記憶がある。
My life
氷鷹北斗×明星スバル
A5/24P/本文フルカラー
コピー本
表紙は母に「この四角の中に森へ続く道を書いてください!!」と頼んだもの。
CY8ERの「マイライフ」という好きな曲を聴きながら書いた全く原作に即していないサナトリウムパロディ本。個人誌は大体アンソロの合間にイベント合わせ突発で出すため薄く自家製本になりがち……。
CROSS EVERMORE Vol.2
あんさんぶるスターズ!!とアイドルマスターシンデレラガールズのクロスオーバー合同誌
A4/本文12P/フルカラー
第二弾、ページ数が少ない割に大変だったように思う。前回の本にアンケートペーパーみたいなのを同封していて、そこに書いてもらった次があればあった見たい組み合わせなんかも採用している。
男女別作品のキャラクターを並べるのにあたって距離感とかシチュエーションに結構悩んだのが印象深い。近い距離感なのであれば、シチュエーションはプライベート感をなくすだとか、仕事っぽさというか作り物感を強めにするとか。
カップリング表記に見えにくいようにシンデレラの子の名前を先に書くとかせせこましいことを色々考えてた気がする。
それでも、作中で強い煌びやかなイメージのキャラたちでハイブランドの広告という設定がやりたくなり、結局肌色多め密着な画面自体はやった。サンプルページとして予め公開しておきこういうのあります!苦手な人は避けてください!と大声で言っておく姿勢を取った。
ほしふるばしょにつれてって
氷鷹北斗×明星スバル
A5/?P
コピー本
これも表紙の殴り書きからイベント前日に書いたのが想像に容易い。カップリングwebオンリーはお祭りなのでとにかく新刊があればあるほど良い、という思いから生まれる自家製本シリーズ。タイトルにイベント名をそのまま引用してるけど大丈夫なのか
胡乱!〇〇からみるあんさんぶるスターズ
無差別級考察アンソロジー
A5/328P/カバー付き
あんさんぶるスターズをもっといろんな視点から楽しみたい!
趣味、専攻、勤務経験などそれぞれの得意分野を持ち寄って胡乱にあんスタを語った無差別級・考察アンソロジーです。哲学、法律、医療など固いものからアメコミや特撮からみた元ネタ解説、あんずPの衣装制作やはたまた作中の飲食店にフォーカスしたものまで30タイトルを収録。オタクは胡乱に語りたい!
友人Aを作ろうシリーズ、自分に違った世界を与えてくれる出会いというのは痛みを伴いながらもかくもたのしいものですねという本。いい感じに書いたけど人には「何回当たってもうまいうまいって生牡蠣食って腹壊してるやつ」と言われてる。
告知の段階から結構バズっていて、本になるに至らないまでも自分ならこんなことを書くかななんていろんな声が聞けて楽しかった。経営組織論で書いたがめちゃくちゃこじつけだし経営組織論の単位はギリギリ可だったような気がする、楽しかった。
タイトルの「胡乱」をめちゃくちゃ強い免罪符だと思っている。
この本は絵でも小説でも漫画でもなくて、当然ラブレターなんかでもないけれど、作品に対して、キャラクターに対してこんなに愛に溢れた文章があるだろうかと。そう思えるタイトルがいくつもあった。校正しながら感極まって泣いたりしていた。
ずっとアンソロジーを一緒に作っていた友人の1人が、この本には参加しなかったことについて「キャラクターの生い立ちや家庭環境を分析することはできるけれど、キャラクターとはいえ見えている部分から勝手に分析するのは酷だし、キャラクターに感情移入や共感している人まで傷つけかねないから」と言っていて、実際それが募集前の企画の段階での一番の懸念だった。
でも、だれも傷つけないなんて無理だし!ちょっと危ないくらいっておもしろいし!ほんとにやばいのきちゃってから考えよ!で押し切った。結果、実際に集まった原稿は本当に愛溢れたものばかりで、本当に嬉しくて私と私以外のこれを読みたい読者がいるから胸張って出そう!と思えた。本当にありがとうございます。
同人誌始める前の合作動画あたりから横長の告知画像を作るのは大事!みたいな意識があったので、横長の画像をいろんな本で作ってるけどこの本のはいっぱい残ってた。
本文をすごく頑張ったので、本としてもカッコよくしようと見返し+カバー+帯使用。
バズっちゃってたから下手な数でもっていくと大変なのはもうわかっていて、金が足りず親に奨学金に手をつけさせてくれと頭を下げた。爆死してたら卒業できなかった。売れたら戻ってきたその金で刷るを何回かやって、この本の印刷費総額がいまだに人生で一番高い買い物だと思う。今乗ってる車よりも高い。
この時期、この本だけでなく離婚直前だった家庭環境も卒論も就活もまあいろいろやばくて過去一番病んでた。ESMGが映画館でやっていて、2曲目の「もしも君が泣いていたら その涙、拭ってあげよう」って天祥院英智が歌ってるとこで死ぬほど泣いたのを覚えてる。
えっちな本とは別方向のセンシティブさ、シンプルに物量やばい、バズると大変、侮辱されるってこういう感覚か、匿名メッセージは恐怖のるつぼ、ここに書けない出来事がめっちゃあった。この本の時期に家庭環境も最悪で、思い出すとオエってなる思い出がいっぱいあるけど、今までで一番反響があった本なのも確かで、何よりも自分がこの本を読みたかったので完成できて読めてよかった。
あんさんぶるSTARS -逆光のリザレクション-
エンドレスヴィーデアンソロジー
A5/132P
漫画/小説/イラスト混在/全年齢向け
つかれた!もう同人誌なんかやんね〜〜〜!!!!と言った舌の根も乾かぬうちに公式で宇宙戦争編が始まり推しがガンダムに乗ったので作ったアンソロジー。箔押しかっこい〜〜!!!
Blu-rayBOXみたいな本にしたいんです!と表紙イラストとロゴをお願いし、小口染で厚み的にもかなりそれっぽくなり装丁大満足の一冊。キャラクターがバカスカ死ぬ、なにせ宇宙戦争編なので。
ポスターの絵描きながらぱっとしないきがするな〜と言ってたらいろいろやってもらった記事がある。
このポスターも本当にカツカツで作っていて友人Aに代わりにキンコーズで印刷してもらった、しかも絵に合いそうなメタリックな紙を現場判断チョイス。頭が上がらない。
作ってる途中で卒論や就活(失敗)を挟み大幅に遅くなりつつ完成した。執筆者様本当にお待たせしました。
STAGE BASARA FEAT.ES ALL MALE 書き散らし妄想本
もしもESアイドルがオールメイルでBASARAの舞台をやったら!?妄想本
コピー本/?P
ここにきてナマモノネタ……というか俳優さんのお仕事に始まる。あんさんぶるスターズの羽風薫を演じる細貝圭さんが舞台 BASARAに四道役で出演されるということにいたく興奮し、突発で出したコピー本。
親がBASARAを好きで自分の本名もこの漫画から取られているなど思い入れのある作品で、考えるのがもう楽しくて楽しくて仕方なかった。配役の妄想書き散らしで、そこに友人Aが小話を寄せてくれている。
作品の世代がはなれているのもあり、内容をわかって手にとってくださった人は1人しかいなかった。その1人もお使いで、もし会えたならどんな配役にしますか!?なんてお話ししてみたかった。
君だから
A6/212P
今までコピー本でペラペラ出してきた短編のまとめ本。表紙の4キャラが出てるCP全部入れた。友人Aに文字組みを頼んだら「ただ組んだだけ」じゃない文字組みに圧倒された、文字組みうめ〜〜〜〜〜!
過去にリクエストでカッコ書きで逆カプを指定され「いいぜ、お前がどうしても”そっち”というのであれば……」という気持ちで書いた逆カプも入っている。
これによりイベント会場で「逆カプ入ってるんですよね……」としばらく悩んでから去っていったお姉さんがいた。東京行ってたのしかった
最初に書いたあとがき
同人誌を初めて出したのが2018年の9月、ここから最後に再録本を出した2022年7月までのおおよそ4年間で出した本は31冊。うちアンソロが22冊。
空白の1年間は精神状況の低迷と共に、作りかけのアンソロ2冊を完成させられないままうだうだしていて、いい加減ちゃんと完成させようと足掻いて現在に至る。
急にぬいぐるみにハマって裁縫という内向的、作業が楽しい感じのものづくりの楽しさに立ち返ってみたり、梅仕事と漬物に熱中したり、そもそも大人数を相手にするぞ!というモチベーションに対して己が未熟で身勝手過ぎ、自他ともにダメージを大量に負ったので後悔が多すぎてあんまり動けなくなってしまった。そもそも、同人活動はやらなくてはならないものではないし。
とにかく最近は内向気味で、別にそれも悪くはなくて、本を作るという遊びをあと何回やるのかわからない。それでも作った同人誌のことはどれも好きでその時しか作れなかったものばかりなので作った本と、情熱をこれに注いでいた時間はめちゃくちゃ好きだな〜と思っている。
最後に書いたあとがき
ここまで書いたけどまあ後から整理したことなんて当時からしたら全部嘘だなと思う。もっといろんな人にいろんな影響を受けていっぱい嬉しかったりしんどかったりする出来事があった、出来るだけ特定の参加者さんや寄稿について書かなかったのもあるし、書かない以前にもう忘れちゃったこともいっぱいある。
それでも、当時の後書きなどなど振り返ってみると「人と何かしたいけど力不足で誰かしら傷つける」をずーーーっと悔いていて、悔いてるわりにやめないでいる。
生きてるだけでも人に不快な思いはさせるし、仕方ないけど仕方ないと割り切ることにもまた悔いているとわきざしだよりの最後でも書いていた。おんなじことばっか繰り返してる気がするので多分また似たようなことに悩むけど、その時は前より上手くできればいいなと思う。生牡蠣だいすき!!
ネットにどっぷりハマったのが田舎に引っ越したタイミングで、これも大きい。自分が一度すごく狭くなった世界をネットとか進学とかでまたこじ開けていった感覚と、自分は6人きょうだいの一番上で引越したときに弟妹のこれから過ごす世界の狭さにすごく焦りというか危機感があった感覚とか、そういうのが回り回って「友人Aを作る」みたいなキモい目標になっていると思う。何様なんだ。同人誌ってそういうもんだけどずっと自分が会いたかったとか会えて嬉しかったとかの本を作ってると思う。
同人活動はやらなくてはならないものではないと書いているけれど、いろんな人たちと一つのものを作ること、そうやって良い本が作れた時、それを手に取ってもらえた時、反応がもらえた時、それぞれの楽しさは唯一無二だし、自分が主催で寄稿を預かっている状態ではめちゃくちゃ当たり前にやらなくてはいけないことなので現実逃避と脱線した振り返りはこのあたりでおしまいにする。ありがとうございました
終わり